悲しい話ですが、円満だった夫婦関係が子どもの誕生を機に急激に悪化してしまう産後の離婚危機の事を、「産後クライシス」と言います。
せっかくご縁があって結婚して、さらに子宝にも恵まれたのに離婚になってしまうなんて、悲しいですよね。
でも、こうなるにはいくつかの原因があるんです。
この記事は、産後クライシスに陥ってしまう原因についてと、それを乗り越えていくにはどうしたらいいのかを体験談としてお伝えしていきたいと思います。
パッと読むためのもくじ
産後の離婚危機産後クライシスってなに?
この産後クライシス、主に女性の気持ちの変化がメインとなって語られることが多いと思うので、多くの女性の方に共感していただけるのではないかと思います。
男性にとっては、生理を経験することもなければ10ヶ月に及ぶ妊娠を経た出産を経験することもないので、それに伴うホルモンバランスの変化による女性の体調や感情の変化を理解することは難しいのかもしれません。
でも女性の身体に変化が起きているのは事実なんです。
妊娠し、地域の保健センターなどに届け出をすると、役所から「パパママ学級」などのお知らせが届きます。
その教室で、女性の愛情曲線は、下記のように変化をしていくと教えてもらいました。
これは、女性が何を対象に愛情を注いでいるかを表したグラフです。
見ての通り、出産後は何よりも子供のことが第一になります。それと同時に、夫や仕事に関する興味が一気に無くなります。
旦那さんにとっては、心が痛くなる結果かもしれませんね。(苦笑)
でも、事実、こういう統計が出ているということを胸に刻みつつ読み進めてみてください。
もう一点注目して欲しいのが、出産後に夫への愛情が回復している人と、そのまま低迷している人の二極化しているということです。
つまりこれは、産後クライシスをどう乗り切るかが今後の夫婦生活にとって重要になるということなのです。
産後の離婚危機産後クライシスの原因は?
なぜ、産後クライシスが起きてしまうのか?
原因をいくつか挙げてみました。
- 出産による女性のホルモンバランスの変化
- 子どもが優先の生活になる(ならざるを得ない)
- 夫婦間の考え方の相違
- 子育てへの不安
- 夫が育児に協力しない
- 夫の帰宅が遅くワンオペレーションにならざるを得ない
- コミュニケーションの不足
- 仕事で疲れる夫と育児と家事で疲れる妻、お互いを思いやれなくなる
こんなことが挙げられると思います。
女性は妊娠から出産の過程でホルモンバランスに大きな変化が訪れます。
子供を妊娠したら、お腹の中で赤ちゃんを育てるホルモンが大量に分泌され、出産したら不要になるので、一気にバランスが崩れます。
結果、妊娠~出産を機に、妻はイライラしたり攻撃的になることが多くなります。
大きくホルモンバランスが崩れ、頻回授乳(2〜3時間おきの授乳)によってまとめて眠ることも許されず、ふにゃふにゃの今にも死んでしまいそうな赤ちゃんを初めて育てるお母さんは、それはそれは不安でたまらないと思います。
「産後うつ」という言葉もあるように、そのまま精神を患ってしまうこともあるんです。
育児は夫婦が協力して行うことです。妻だけがやるべき理由などどこにもありません。
妻は出産の際、十数時間から数日にも及ぶ陣痛に堪え、出産の痛みにも堪え、そのボロボロの状態でまとめて眠る時間を取れない授乳育児が始まっているのです。
そもそも出産は命がけ。
夫が育児に協力しないことから、妻にかかる負担が大きくなり産後クライシスを引き起こすことが考えられます。
こういった非協力的な夫のせいで妻の産後クライシスは悪化する可能性が高いと思われます。
産後の離婚危機産後クライシスはいつまで続くの?
早ければ、妻のホルモンバランスが徐々に落ち着いてくる産後半年頃からです。
が、ホルモンバランスが回復する期間をひとつの目処にするのは個人差があるのであまり期待できないかもしれません。
産後すぐの時期から幼児期までの夫の育児・家事参加が非常に重要な鍵を握っていると考えられていて、たとえ離婚に至らなかったとしても、生涯深い爪痕を残す可能性があります。
つまり、「いつまで続く」は、妻のホルモンバランスのみによるものではなく、夫の態度に大きく影響されるのです。
産後の離婚危機産後クライシス「妻」におすすめの乗り越え方
では、お母さんになった(なる)みなさんに、わたしが実際にした「発散」する方法を提案させていただきます。
- みんな通る道なので、「ホルモンのせい」と割り切る
- 困っていることがあれば、悶々と内にため込まず、夫に言葉で伝える
- 実母に頼れる状況であれば、実母に頼り切る!
- サポートなどを利用して子どもを預けてみる
- 独りで悩まない、抱え込まないで友達、相談員など誰かに相談してみる
- 夫に期待してもムダだと覚悟を決める
- 自分なりのストレス発散方法がわかっていれば実施する!
生理前など、ホルモンバランスが崩れるとイライラしますよね。
トツキトオカ、ひとつの命を育てていた身体が一気に変化したんです。
イライラするし、少しのことで涙が止まらなくなるし、不安にもなります。
いちいち気にせず、ホルモンバランスのせい!と開き直ってみるのもひとつかもしれません。
また、男性は言葉で言わないとわからない、という人が大多数です。
日本人の大事にする「空気を読んで」は仕事の時しか発揮しないようですので(笑)「こうしてくれればいいのに」という思いは捨てましょう!
はっきりと「こうして欲しい」と言って、それでもしてくれないのなら、夫に期待するのはやめましょう。
期待値が高いほど、イライラがエンドレスになります。わたしがそうでした。(笑)
また、地域のファミリーサポートなどで、時間単位で子どもを預かってもらえる制度もあります。
保育園とは違い、空きがあれば利用できるので、そちらを活用して、一度お子さんから離れてリフレッシュしてみるというのも一案です。
そして、夫に対する期待値が高ければ高いほど、そうしてくれなかった時のガッカリ感は大きくなるので、夫に期待しないというのもひとつだと思います。
そうすることで、嫌な感情に振り回されることが減り、イライラすることが減っていけば、自分自身の精神的な状態も安定してきます。
産後の離婚危機産後クライシス「夫」におすすめの乗り越え方
この記事を読んでいただいている旦那さん、もしくはその予備軍の方に、どんなことをすれば産後クライシスを回避できるのか、少しお話していこうと思います。
- 妻の産後の状態をそのまま受け入れる
- 赤ちゃんは二の次!徹底的に妻を気遣い労る!
- 自分が出来る事を“自分で”探し、積極的にやってみる
- 徹底的に妻の味方になる
- どんなに居心地が悪くても1分1秒でも早く帰って家事や育児に参加する
産後のホルモンバランスの乱れは、一時的なものです。妻がトゲのある言い方をしてきても、「通常とは違う状態なんだ」 と思って、そのまま受け入れてください。
少しずつ妻のことを理解していこうとすれば、自分にもできることは見えてくると思います。
赤ちゃんのお世話をすることは、父親として当然の義務ですが、まずはそれより、妻をいたわり、妻のお世話をしてください。
妻が大事にされている、大切にされていると感じれば、自然と夫との関係性も良くなってくるはずです。まずは自分から、奥さんを大切にしてみてください。
だって、妻が産前と変わってしまったのは、愛しい我が子を命がけで出産したからなんですよ?
新生児から幼児期までは、とにかく人の手が必要です。積極的に家事、育児に参加してください。間違っても「手伝う」なんて言わず、積極的に“参加”しましょう!
家も、子どもも、夫婦二人の物ですよね?夫がやらなくていい理由なんて、どこにもありません。
産後の離婚危機産後クライシスを乗り越えるためには
世の中の夫が全員そうだとは言いませんが、これを読んでいて気分を害されたり、残念な気持ちになってしまったら大変申し訳ありません。
でも、追い打ちをかけるようで申し訳ないですが、お子さんの予防接種、どこまで済んでいるか、ご存知ですか?
かかりつけの病院、靴の大きさ、洋服のサイズ、お出かけするときの持ち物、お気に入りのおもちゃ、今どんなことに興味を持っているのか、知っていますか?
子どもと出かける時の持ち物、忘れ物なくパパッと準備できますか?
働いていれば仕事の休みの日が廻ってきますが、子育てには休みはありません。
動き出して目が離せなくなってくると、コンビニと同じく24時間体制です。それも、シフトはなく、一人で24時間×365日です。
もちろん給料は発生しません。どんなブラック企業よりキツイと思いませんか?(笑)
産後クライシスによる離婚はだいたい産後3年以内と言われています。つまり、産後3年間、子どもが3歳になるまでが一番重要なんです。
子どもは3歳になるまで、ものすごく大きな成長を遂げます。
目もほとんどあいていない一日のほとんどを寝て過ごしている状態から、ずりずりハイハイ出来るようになり、立ち上がり、歩くようになり、言葉を話すようになり、自分で色々な事が出来るようになります。
こんな大事な、すばらしい成長を、妻と楽しく見守りたくないですか?
それには、間違いなく夫の協力が重要な鍵を握っているのです。
産後の離婚危機産後クライシスを乗り越えるためにした事まとめ
産後クライシスはほとんどの夫婦で起こる現象です。
わたしの場合は約1年半ほど続き、離婚を考えなかった日はないくらいです。
ですが、徐々に自分自身が変化してきて、今は実母に協力してもらいながらなんとか楽しく生活することが出来ています。
延々と続くものではないと理解し、夫婦協力し合えれば、産後クライシスもきっと乗り越えることができると思います。
何度も繰り返しますが、産後3年の間にどれだけ夫婦が協力出来るかによって、その後の関係に禍根を残すかどうかが決まってきます。
今や日本では3組に1組が離婚する時代。
少しでも多くの家族が離婚することのないよう過ごせたら良いですね。